昨日、フランスの大学入試であるバカロレアの哲学試験が実施された。文系・理系・経済社会系の3種類のうち、これまで文系理系の問題を取り上げてきたが、最後となる本記事では経済社会系の問題を見てみよう。


テーマ1:自由であるためには選択するだけで十分なのか?
(Suffit-il d'avoir le choix pour être libre ?) 

テーマ2:なぜ自分のことを知ろうとするのか?
(Pourquoi chercher à se connaître soi-même ?) 

テーマ3:以下のハンナ・アレント『人間の条件』(1958年)の抜粋を説明せよ。(略)
(explication de texte : Hannah Arendt, Condition de l’homme moderne, 1958)
 
 
いかがだろうか。どれも大人でも悩みこんでしまいそうな問題ばかりだ。とはいえ、このような答えのない問題を本気で―4時間かけて―考えるというのは受験生本人にとっていい経験になるだろう。パスカルやサルトルを生んだ国だけあって、哲学の効用を実感させられる試験だ。

なお、バカロレア試験は今月23日まで、6日間にわたって行われる。