1989年に革命200周年を記念して制作された映画『フランス革命(La Révolution française)』という作品が存在する。前編・後編あわせて5時間を越える超大作である。
前編『輝ける日々(Les années lumière)』 は1789年の三部会招集に始まり、バスティーユ襲撃やヴェルサイユ行進などのエピソードが印象的に描かれた後、1792年8月10日の王権停止でクライマックスを迎える。
後編『恐るべき日々(Les années terribles)』 ではジャコバン山岳派の恐怖政治が描かれ、1794年テルミドール9日のロベスピエールの失脚で物語の幕が閉じる。
前編『輝ける日々』でメガホンを取ったのは日本でも知られるロベール・アンリコ監督。後編『恐るべき日々』はアメリカのリチャード・ヘフロン監督の手によるものだ。時代考証を行ったのはフランス近代史を専門とする大物歴史家のジャン・テュラール。専門家の間では『ナポレオン事典』などの刊行で知られており、本作『フランス革命』でも細部にわたる実証が見どころだ。
主題歌『自由賛歌』の作曲はトリュフォー作品やアラン・レネ『二十四時間の情事』などの音楽担当で知られるジョルジュ・ドルリュー。壮大な音楽は印象的な名場面を盛り上げてくれる。
なお残念ながらDVDは日本未発売である。日本語字幕も存在しないため、現状では海外amazonなどで検索するしかないのが悔やまれるところだ。フランス語の勉強も兼ねて視聴してみては?