今日のGoogleトップページはハリウッド女優のアンナ・メイ・ウォンとなっている。でも、一体どうして?
アンナ・メイ・ウォンは1905年1月3日生まれのハリウッド女優。ハリウッド初の中国系スタートして今日まで歴史に名を残している。
アンナ・メイ・ウォンは本名をWong Liu Tsong(黃柳霜)という中国系3世で、台山出身の家族から英語と広東語の両方を教わり育った。14歳の時に『紅燈祭』(1919) のエキストラとして映画デビューし、16歳で『恋の睡蓮』(The Toll of the Sea)で初の映画主演を果たした。今日のGoogleロゴ変更は『恋の睡蓮』の公開日である1922年1月22日を記念したものだ。
当時、米国は「黄禍論」(The yellow peril)の悪影響から東洋人への偏見が根強く、映画業界でも「フー・マンチュー博士」などといったおどろおどろしいキャラクターとして描かれることが多かった。アンナ・メイ・ウォンもこうしたステレオタイプに悩まされることとなる。
(悪の天才フー・マンチュー博士)
そこでアンナ・メイ・ウォンはヨーロッパへと活動の場を移し、往年の名女優マレーネ・ディートリヒと『上海特急』(1932)で共演するなど、順調にキャリアを築いてゆく。
(『上海特急』のアンナ・メイ・ウォン)
しかしながら、1930年代後半になると欧州に戦禍の暗雲が立ち込める。アンナ・メイ・ウォンは米国へ戻り再びハリウッド映画に出演するも、やはりアジア系のため役に恵まれず、1942年に映画界を引退。1961年に早すぎする死を遂げた。
アンナ・メイ・ウォンは死後に再評価が進み、現在では彼女の名前はウォーク・オブ・フェームにも加えられている。