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現地時間28日夜、ニコラ・デュポン=エニャンがフランス大統領選挙決選投票におけるマリーヌ・ルペン支持を表明した。

ニコラ・デュポン=エニャンは右派政党「立ち上がれフランス」(Debout La France) の党首として、大統領選挙の第一次投票に立候補していた。結果は惨敗に終わったものの、5%近い得票率を有し、その存在感を示した。

デュポン=エニャン(デュポン=テニャン)はフランスにおける伝統的保守派ド=ゴール主義の正統な継承者を自任し、その愛国的な姿勢で知られている。欧州憲法などEU統合や新自由主義路線に反対し、現在の「立ち上がれフランス」の母体となった「立ち上がれ共和国」を1999年に結成した。

デュポン=エニャンは「マリーヌ・ルペンは極右ではない」などとして国民戦線への支持を表明。

ニコラ・デュポン=エニャン率いる「立ち上がれフランス」は小政党ながら独特の存在感を示しており、今回のルペン支持は少なからぬ波紋を呼んでいる。中道の大物政治家フランソワ・バイルは「ゴーリスト(ド=ゴール主義者)がこのような選択をしたとは、何という恥辱かと言わざるをえない」としてデュポン=テニャンを激しく批判した。また、「立ち上がれフランス」に所属していた歴史家のエリック・アンソー(パリ第4大学准教授、ナポレオン3世研究の第一人者)は、党における全ての職を辞任することを表明、デュポン=テニャンの決定に反旗を翻した。

従来、決選投票ではマクロン6割、ルペン4割でマクロンの勝利に終わると目されていた。しかしながら、今回の決定がどのような影響力を持つかに注目が集まっている。5月7日の決選投票まで、引き続き動向に注視が求められる。