【速報】2月23日3時(日本時間)、NASAが太陽系外惑星について重大発表を行った。
発表によれば今回、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡が1つの恒星を周回する7つの太陽系外惑星を発見。しかもうち3つは生命居住可能な気候条件(ハビタブルゾーン)の下にあるという。岩に覆われたこれらの惑星は地球とほぼ同じサイズで、液体の水が存在する可能性が高いという(記事上部写真)。
今回発見された惑星系はみずがめ座の方面に位置し、地球との距離は40光年と比較的近い場所にある。惑星系の中心に位置する恒星(TRAPPIST-1)は赤色矮星であるため、太陽に比べて表面温度が非常に低い。また大きさも木星とほぼ同程度しかない。今回発見された惑星はどれも恒星のすぐ近くを回っており、そのため生命居住可能な気候条件を満たすという。
「木星とほぼ同じ大きさの恒星」「生命存在の可能性」と聞くと思い出すのは、『2001年宇宙の旅』の続編として書かれたA・C・クラークの小説『2010年宇宙の旅』である。この小説では高知能を持った地球外生命体により木星が恒星化され、エウロパに住む生命体が進化を遂げるというインパクトのある設定が話題となった。今回の発見により人類はついに小説に追いついたのだろうか…。
ちなみに、今回発見された惑星はさらに興味深い特徴を持っている。地球の月と同様に、恒星に対して常に同じ面を向けて公転しているのだ。このため昼の地域は永久的に昼が続き、これにより独特な気候が生まれると考えられている。たとえば、昼の地域から夜の地域に向けて常に強風が吹くなどである。
今回の発見を実現したスピッツァー宇宙望遠鏡は2003年に打ち上げられた衛星で、地球の周りを回るのではなく地球の後を追って太陽を周回するという特徴を持つ。スピッツァーのマネージャーを務めるSean Carey氏は、「私がスピッツァーの運用に携わってきた14年間でもっともエキサイティングな結果です」と述べている。今後の研究の進展に期待が高まる。
photo: nasa.gov