Doodle公式サイトによると、このイラストが表示されているのは日本やアメリカ、カステリャノスの出身地であるメキシコや中米など一部の国に止まっている。このロサリオ・カステリャノスという作家、日本ではほとんど知られていないが、一体どのような人物なのだろうか。

ロサリオ・カステリャノスの生涯

ロサリオ・カステリャノス（Rosario Castellanos）は1925年5月25日、メキシコの首都であるメキシコシティに生まれた。地主の家族の下、カステリャノスは恵まれた教育を受けることができた。

カステリャノスはメキシコの最高学府であるメキシコ国立自治大学で哲学と文学を学んだ。カステリャノスが1950年に提出した修士論文「女性の文化について」は、彼女が自分の方向性を定める転機になったとされる。

前後してカステリャノスはメキシコの知識人サークルとの交流を始め、自身も『エクセルシオール』紙のコラムを担当するなど、文学作品を発表するようになった。後に彼女はメキシコ国立自治大学に比較文学のポストを得る。

カステリャノスの文学的業績は国からも評価され、1971年にはイスラエル大使に任命される。ところが1974年8月7日、居住していたテルアビブにて、不慮の感電事故により49歳の若さで亡くなった。

ロサリオ・カステリャノスの作品

ロサリオ・カステリャノスの文学作品はフェミニズム文学やカルチュラル・スタディーズに影響を与えたほか、メキシコで女流文学が興る端緒となった。



カステリャノスの作品は『バルン・カナン―九人の神々の住む処』が田中敬一により日本語に翻訳されている。「バルン・カナン」とはメキシコの先住民の言葉で「九人の神々」という意味。1910年に始まったメキシコ革命の動乱の中、地主や先住民、そして女性たちの人間模様を描いた作品である。興味を持った方は手に取ってみてはいかがだろうか。

source: britannica.com et al.