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今日は『眠り姫(眠りの森の美女)』や『シンデレラ』などの名作童話を生んだ作家シャルル・ペローの誕生日。これを記念してGoogleトップページもシャルル・ペローの童話をモチーフにした特別イラストに変更されている。

シャルル・ペローの生涯

シャルル・ペローは1628年1月12日、フランス・パリに生まれた。またシャルル・ペローが亡くなったのは1703年5月16日である。「朕は国家なり」。そう述べた偉大なる「太陽王」ルイ14世の生没年はそれぞれ1638年、1715年であるから、シャルル・ペローの生涯はフランス・アンシャン=レジームの最盛期とほぼ一致することになる。

現在では誰もが知る『眠り姫』や『シンデレラ』だが、これはフランスに伝わる民間伝承をシャルル・ペローが編纂・刊行したことによる功績である。アニメーション映画やテーマパークで利益を上げている米国の某大企業も、フランスの誇る偉人に足を向けては眠れないというわけだ。

シャルル・ペローとフランス文学

そんなシャルル・ペローは1671年、フランス知識人の殿堂とされる「アカデミー・フランセーズ」の会員に選出される。シャルル・ペローは童話作家であったのみならず、当代随一の文学者であったのだ。シャルル・ペローが関わった文学史上の事件に「新旧論争」がある。これはペローが「古典文学よりも現代文学の方が優れている」と言ったことに端を発する論争で、当時の文学者を巻き込む大論争となった。優れているのは人文学の理想とされたギリシャ・ローマの古典か、それとも人類の進歩の末に辿り着いた現代の文学なのかが争点となったのだ。

そんなシャルル・ペローの童話、現在はフランス文学の観点から校定・翻訳された『完訳 ペロー童話集』が岩波文庫から発売されている。興味を持った読者は手に取ってみてはいかがだろうか。