17日、フランスでバカロレアの哲学試験がスタートした。
バカロレア試験とは?
バカロレア試験はフランスの大学入試。日本のセンター試験と同様、大学入学を目指すほぼすべての高校生が受験する。マーク式のセンター試験と違って回答は論述式で、特に哲学試験では4時間にわたって難問を解くことで有名な試験だ。そんなバカロレア試験、今年の試験日程は6月17~24日の一週間だ。フランスは大学入学の季節が秋なので、この時期に入学試験が行われるのだ。初日は例年通り哲学の試験。3つのテーマから1題を選択し、4時間にわたって論述する形式だ。一体どんな問題が出題されたのだろうか。さっそく問題文を見てみよう。
バカロレア試験問題(文系)
テーマ1:あらゆる生物を尊重することは倫理的な義務であるか?(Respecter tout être vivant, est-ce un devoir moral ?)
テーマ2:人は自らの過去の所産なのか?
(Suis-je ce que mon passé a fait de moi ?)
テーマ3:以下のトクヴィル『アメリカのデモクラシー』の抜粋を説明せよ。(略)
(explication de texte de Tocqueville extrait de De la démocratie en Amérique)
バカロレア試験問題(理系)
テーマ1:どんな芸術作品も何らかの意味を持つか?(Une oeuvre d'art a-t-elle toujours un sens ?)
テーマ2:政治は真実の要求を免れ得るか?
(La politique échappe-t-elle à une exigence de vérité ?)
テーマ3:以下のキケロ『予言について』の抜粋を説明せよ。(略)
(explication de texte de Cicéron extrait de De la divination)
バカロレア試験問題(経済・社会系)
テーマ1:個人の意識は自らの所属する社会を反映したものでしかないのか?(La conscience de l'individu n'est-elle que le reflet de la société à laquelle il appartient ?)
テーマ2:芸術家の生み出すものは理解可能か?
(L'artiste donne-t-il quelque chose à comprendre ?)
テーマ3:以下のスピノザ『神学・政治論』の抜粋を説明せよ。(略)
(explication de texte de Spinoza extrait du Traité théologico-politique)
いかがだろうか。暗記中心の日本の入試問題とは随分雰囲気が異なるが、一読して難易度の高さに驚いたという方も多いだろう。友人や家族と相談して答えを考えてみるのも面白いかもしれない。
2016年の試験問題はこちら
なお、去年(2014年)の哲学試験問題は以下の関連記事から閲覧することができる。興味を持ったという方はあわせて参照されたい。
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