「ディーパンの闘い」(ジャック・オーディアール監督、2015年)は、2015年カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを受賞した作品だ。
「ディーパンの闘い」見どころ
「ディーパンの闘い」(Dheepan)はフランス人映画監督ジャック・オーディアール(オディアール)の最新作。「バンリュー」と呼ばれるパリ郊外で暮らすスリランカ出身のタミル人移民を描いた作品だ。EU諸国では大きな社会問題となっている移民問題、郊外問題に正面から切りこんだ力作と評価されている。ちなみにタイトルの「ディーパン」とは主人公のタミル人男性の名前のこと。「ディーパンの闘い」は第68回(2015年)カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で最高賞のパルム・ドールを受賞した。オーディアール監督にとってコンペティション部門出品作品は「預言者」「君と歩く世界」に続く3作目。パルム・ドール受賞は今回の「ディーパンの闘い」が初となる。パルム・ドール受賞はコーエン兄弟ら審査委員の全員一致で決まったものの、授賞式では批評家やメディアの間で賛否両論、センセーションを呼んだという。
「ディーパンの闘い」あらすじ
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スリランカでは2009年まで26年間にわたって内戦が続いていた。反政府組織「タミル・イーラム解放の虎」(LTTE)の一兵士であった主人公のディーパンはフランスへの亡命を決意。難民申請手続きに通過しやすいようにと、その場で出会った見知らぬ女性と女の子を連れて行くことにする。
こうしてパリ郊外において3人の「家族生活」が始まった。ディーパンはガードマンの仕事を始め、3人は郊外で細々と暮らすことになる。ところが移民や貧困層の集まる郊外で起こる様々な問題は、かつて兵士であったディーパンの心の傷をよみがえらせる。果たしてディーパンは癒されることができるのか。そして3人は本当の「家族」になることができるのか。
「ディーパンの闘い」フランスでは2015年8月26日に公開された。日本公開日は2016年2月12日となっている。世界中でセンセーションを巻き起こした作品が日本で一体どのような反響を呼ぶのか。期待が高まる。
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