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今日のGoogleトップページは、何やら優美な日本画をモチーフにしたロゴになっている。

これは明治・大正・昭和期にかけて活動した日本画家・上村松園の生誕140周年を記念するもの。歴史的な出来事や偉人の誕生日などのアニバーサリーをお祝いするGoogleのお遊び企画「Doodle」(ドゥードゥル)によるロゴ変更だ。

なお、イラストのモチーフになっているのは上村松園の代表作『序の舞』。女性の強い意志を気品ある仕草で表現した美人画であり、近代日本美術を代表する作品と言える。



日本画家・上村松園って誰?
上村松園(うえむら しょうえん)は1875年(明治8年)、京都・下京区の葉茶屋の次女として生まれた。父親は松園が生まれる2か月前に死去。母は女手一つで子どもたちを育て上げた。

当時、女性が画家を志すというのは世間の目もあって難しい話だったが、松園の母は娘が自由に生きることを望んだ。かくして松園は京都府画学校(現:京都市立芸術大学)に入学。1887年(明治20年)のことだった。

松園の名を世界に知らしめたのは、1890年(明治23年)に開催された第3回内国勧業博覧会だった。当時欧米で隆盛を極めた万国博覧会をモデルとしたこのイベントに、松園は「四季美人図」を出品。一等褒状を受賞した。このとき松園はわずか15歳。「天才少女出現」として日本中の注目を集めることになった。

さらにこの作品「四季美人図」は、来日中だったヴィクトリア英女王の三男であるコノート公アーサー王子が購入し、松園の作品は世界的な評価を受けることとなった。以下の作品は1892年に描かれたバージョンの「四季美人図」である。
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その後、松園は1941年(昭和16年)に帝国芸術院の会員となり、1948年(昭和23年)には女性として初となる文化勲章を受章した。翌1949年(昭和24年)8月27日、死去。彼女の波乱に満ちた生涯は、映画化もされた宮尾登美子の小説『序の舞』において、脚色も交えながら描かれている。



芸術家として自由に生きながら成功をおさめた上村松園の生き方は、個性的なライフスタイルがもてはやされる現代、ふたたび世の中の注目を集めている。Googleロゴが特別イラストに変更されている今日一日、松園の生涯と作品に思いを馳せてみるのもいいだろう。

なお、東京都渋谷区の山種美術館では現在、特別展「松園と華麗なる女性画家たち」が開催中である。美術館のコレクションする松園作品全18点を一挙公開するとのこと。会期は6月21日まで。興味を持ったという読者は要チェックだ。
特別展「松園と華麗なる女性画家たち」
場所:山種美術館(〒150-0012 東京都渋谷区 広尾3−12−36)
会期:4月18日~6月21日
休館日:月曜日(但し、5/4は開館、5/7は休館)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料:一般1200円・大高生900円円・中学生以下無料


photo: h-am.jp