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大手金融機関HSBCのスイス支店が、富裕層顧客の脱税や節税に関与していたことが発覚した。

HSBCスイス支店とは
HSBCはロンドンに本社を置く世界最大規模のメガバンク。近年、麻薬取引による不正利得のマネーロンダリングが報告されるなど、経営の不透明性が相次いで明らかになっていた。

永世中立国であるスイスに拠点を置くプライベートバンクは、歴史的な金融業の発達に起因する守秘性の高さから信頼され、世界中の富裕層顧客の間で人気がある。人気コミック『ゴルゴ13』において、依頼料の振込先としてゴルゴによって指定される架空の銀行名が「スイス銀行」であるのもそのためだ。



今回発覚した不正の内容は

今回のHSBCプライベートバンク部門による脱税幇助は、同行に勤める職員の内部告発により明らかになったもの。既に昨年11月、HSBCは2006~2007年における顧客の租税回避の幇助を疑われ、フランス当局による調査を受けていたが、今回、英ガーディアン、BBC、仏ル・モンド、ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)の共同調査によりその克明な実態が明らかになった。

リークされた情報によれば、HSBCスイス支店は銀行秘密のシステムによって富裕層顧客の資産額をごまかし、脱税や節税に組織的に関わってきたという。今回暴露された秘密口座リストには、203の国・地域の顧客10万名分、総額1千億ドル超もの資産が掲載されている。脱税に関わった可能性のある人物には著名スポーツ選手や芸能人、企業経営者や政治家なども含まれており、事件の波紋は相当なものになると見られる。ただし、リストに記載された人物の中でどれほどの部分が脱税に手を染めていたかはなおも不明な点が多い。

今回のリークの要点とは
先ほども述べた通り、不正の存在自体は以前よりすでにかなりの確度で疑いを持たれていた。今回の報道が世界的な話題となったのは、内部告発による秘密口座リストのリークにある。ジャーナリストの国際共同戦線により、権威ある「スイス銀行」の秘匿性・匿名性に足がついた形だ。リストの中に中東の王族やテロ容疑者の名前があったことも、欧米ではすでに話題の的となっている。

なお、今回の件は日本とも無関係な話ではない。発覚した秘密口座リストには日本人の名前も掲載されており、ICIJの発表によればその資産総額は4億2千万ドルに及ぶとのこと。実際に脱税に手を染めていたかは明らかになっていないが、今後のさらなる調査の進展が待たれるところだ。

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