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1月4日夜8時より、NHK総合にて大河ドラマ「花燃ゆ」が放送開始される。

大河ドラマ「花燃ゆ」は幕末の偉人・吉田松陰の妹である杉文(すぎ・ふみ) を主人公とした物語。兄の松陰を支えながら強く生きた女性・文を演じるのは「花より男子」などで主演を務めた井上真央。吉田松陰を演じるのは伊勢谷友介だ。他にも東出昌大(久坂玄瑞)や高良健吾(高杉晋作)、劇団ひとり(伊藤博文)に要潤(入江九一)と豪華キャストが脇を固める。

吉田松陰は1830年生まれの幕末の志士。薩長同盟を実現した坂本龍馬や、江戸無血開城の立役者である西郷隆盛に比べると、何をしたのかが分かりにくい人物だが、伊藤博文や高杉晋作といった維新のスーパースターから「先生」として慕われた人物である。わずか10歳で長州藩主・毛利慶親の御前で兵学を講義したというから、その天才ぶりが窺い知れる。

吉田松陰が歴史の表舞台に登場するのは1854年、松陰24歳の時である。 マシュー・ペリーの艦隊が下田に来航したことを伝え聞き、アメリカ留学を決意。深夜に盗んだ小舟で艦隊に乗り付け、密航を直訴したのだ。もちろんこの訴えは拒否される。松陰はただちに逮捕され、「野山獄」に収監された。

野山獄は長州藩の重罪人専用の牢獄。殺人や理由ありの囚人を収監する獄で、生きて出た者はいないともされる。

松陰はここで意外な行動に出る。なんと、今後死ぬまで娑婆の空気を吸うことがないであろう囚人を相手に講義を始めたのだ。「学問とは「人間とは何か」を学ぶものです」そう言って学問を説く松陰の講義を、いつしか囚人だけでなく、看守までもが聞き入るようになったという。

やがて時は過ぎ、時代が松陰を必要とするようになる。1855年、吉田松陰は晴れて釈放。このとき松陰と一緒に、数名の囚人も同時に釈放されている。松陰一人だけならまだしも、これは極めて異例のことだった。

吉田松陰は周囲の空気を変える力をもつ人物だった。野山獄を出た後で彼の開いた松下村塾には、長州藩の若い武士たちが多数入塾する。彼らは数年後、幕府に反旗を翻して明治維新を実現する。

結局、吉田松陰は幕府ににらまれ、安政の大獄で短い生涯を終えた。30歳だった。彼がアメリカ密航に失敗した後に詠んだ歌に、次のようなものがある。
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「かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ大和魂」

松陰は自らを「狂愚」と称した。「狂」とは積極的に新しいものを取り入れ、「愚」は臆することなく愚直に行動することを指す。後に明治政府の重鎮となる山縣有朋は、これに倣って自らを「狂介」と称した。

そんな吉田松陰と彼の周囲の人物が、ドラマではどのように描かれるのだろうか。注目の第1話は本日午後8時放送開始である。