フランス人は挨拶代わりにキスをする国民として有名である。ほおを軽く合わせ、口先で軽くチュッと音を立てるやり方で「ビズ(bise)」と呼ばれる。男女問わず親しい間柄で行われる挨拶で、メールの最後に「bise」などと書かれる場合もある。

ところでこの「ビズ」、一度では終わらず、二度三度連続して行われる場合がほとんどである。日本人からすると少しやり過ぎなようにも見える。最初にこの習慣に直面したときのとまどいは、漫画『パリ愛してるぜ~』『かかってこいパリ』(じゃんぽ~る西)などでコミカルに描かれている。



さて今回、英エコノミスト紙がフランス人の「ビズ」回数の平均を調査し、地域ごとの差を発表した。以下のインフォグラフがそれである。


これを見ると、北フランスでは4回、南フランスでは2回から3回と、地域差が顕著に表れる結果となった。ブルターニュの一部はわずか1回と全国最少である。

逆に一番多いのはナポレオン・ボナパルトの故郷コルシカ島で、なんと5回という調査結果だ。あのナポレオンも幼い時は親しい人と日々キスをしていたのだろうか?

こうしたフランス人の「ビズ」の習慣はイギリス人にとっても異文化のようで、リンク先では連続で行われる「ビズ」に直面したときのとまどいが率直に表現されている。今回の調査結果は、フランス人の性格をあらためて浮き彫りにしてくれたものと言えるのかもしれない。