昨日よりおよそ1週間にわたって、フランスでバカロレア試験が実施される。バカロレアとはフランスの大学入試のこと。日本の大学入試と違い、合格点をとれば原則どの大学にも行けるシステムとなっている。フランスは大学入学の季節が秋なので、この時期に入学試験が行われるのだ。

初日は例年通り哲学の試験。3つのテーマから1題を選択し、4時間にわたって論述する形式だ。一体どんな問題が出題されるのだろうか。さっそく問題文を見てみよう。


テーマ1:芸術作品は知覚を育むか?
(Les œuvres d'art éduquent-elles notre perception ?)

テーマ2:幸せになるためならなんでもすべきか?
(Doit-on tout faire pour être heureux ?)

テーマ3:以下のカール・ポパー『客観的知識』(1972年)の抜粋を説明せよ。(略)
(explication de texte : Karl Popper, La Connaissance objective, 1972)
 

いかがだろうか。暗記中心の日本の入試問題とは随分雰囲気が異なるが、一読して難易度の高さに驚いたという読者も多いだろう。

ちなみにこれは文系用の問題。バカロレアは他に理系用と経済社会系用の問題もある。次の記事では理系の問題を見てみよう。 

【経済社会系の問題はこちら】