会社の名前の英語表記を見ていると、よく「Co. Ltd.」という文字列にお目にかかる。例えば「三菱地所」の英語表記は「MITSUBISHI ESTATE Co., Ltd.」だ。一方で、「Tiffany & Co.」などのように「& Co.」の表記も見られる。この二つは一体どのように使い分けられるのか、ご存知だろうか? ビジネスマンの読者でも案外意識していなかったという方が多いのではないだろうか。

この謎を解くためには「会社」というものの起源をたどる必要がある。そもそも会社というものは社長とその仲間が集まって生まれるものである。近世ヨーロッパでは社名を付けるとき「○○社長と仲間たち」という意味で「○○ and Company」とする名付け方が一般的だった。冒頭の「Tiffany & Co.」の場合、同社の創業者であるチャールズ・ルイス・ティファニー社長と仲間たち、という意味だ。他にも「(ジェームズ・O・)マッキンゼー」などがこの名称を使用している。従って、この略称を付けることができるのは人名に限られるので、使用の際は注意したい。

ちなみに、19世紀のフランスで出版された本の扉には「& Cie.」と書いてあることが多い。これは「et compagnie」の略で、記事の冒頭で説明した「& Co.」と同じ意味だ。19世紀フランスの出版社は個人で小規模経営を行う場合が多かったので、「Co. Ltd.」よりも「& Co.」の表記が多かったのである。現在のフランスの大手出版社「アルマン・コラン」や「(アンリ・)プロン」も、もともとの由来は人名だ。個人営業の小さな書店から出発したため、大企業となった現在でも創業者の名前を冠しているのである。

一方、普段目にすることの多い「Co. Ltd.」は「company limited」の略。カンパニーの中でも特に、有限責任の出資者の集まりという意味である。株式会社でよく使われる。この場合、社名は必ずしも人名でなくてよい。

社名の英語表記には他に「Inc.」というものもある。映画『モンスターズ・インク(Monsters, Inc.)』でおなじみの略称だ。これは上の二つとは異なり「company」ではなく「Incorporation」の略称である。フランス語で「corporation」といった場合、特にフランス革命前の旧体制において、国から法人格を認められた社団のことを指すことがある。「体」を表す名詞「corp」に由来する用語だ。したがって「Inc.」とは、有限責任か無限責任かに関係なく、法人営業を認められた企業すべてを指すことのできる名称である。

また、欧米では会社のことを「society(フランス語ではsociété)」と呼ぶこともある。フランスの大手メガバンク「ソシエテ・ジェネラル(Société Generale)」などが代表例だ。ここでいう「society」とは抽象的な「社会」のことではなく、個別の「協会、組織」のこと。幕末から明治維新期にかけて、「society」という名詞を日本語訳する過程で様々な議論があったが、今日では「社会」の訳語が定着している。しかしながら、辞書を引けば分かる通り、「society」には他に「協会」「交際」「社交界」などの意味もある。「会社」もその中のひとつであり、「society」という用語の多義性にあらためて気づかされる。

社名の英語表記に始まり、やや話を広げすぎてしまった。今回の内容に興味を持ったという読者は、身近な会社の歴史や社名の由来を調べてみると面白いかもしれない。きっと社会や経済についての新たな発見があるだろう。

パリにある映画博物館シネマテーク・フランセーズ(La Cinémathèque française)で10月8日より、フランスを代表する映画監督であるフランソワ・トリュフォーの企画展が行われている。

フランソワ・トリュフォーはヌーヴェル・ヴァーグを代表する映画監督。『大人は判ってくれない』『アメリカの夜』『終電車』『華氏451』などの作品で知られ、日本にもファンが多い。1984年10月21日に52歳で亡くなったが、今回の企画展は没後30周年を記念したもの。遺族から寄贈されたデッサンなどの遺品を元に、映画監督の生涯をたどる。

なおタイアップ企画として、シネマテークに隣接するフランス国立図書館(Bibliothèque nationale)でも特別展「フランソワ・トリュフォー 本を愛した人(François Truffaut, l'homme qui aimait les livres)」が開催される。『華氏451』で読書が禁じられた管理社会を描いたように読書好きとして知られるトリュフォーに焦点を当てた、図書館らしい特別展だ。展示品のリストはこちらから見ることができるので、あわせてチェックしたい。

フランソワ・トリュフォー展
場所:シネマテーク・フランセーズ(51 rue de Bercy 75012)
会期:2014年10月8日~2015年1月25日(12月25日、1月1日は休館)
開館時間:
 月、水、金、土…12~19時
 木…12~22時
 日…10~20時
 火…休館
 ※10月18日~11月2日、12月20日~1月4日は10時より開館
料金:11ユーロ(割引料金8.5ユーロ、17歳以下5.5ユーロ)

インターネットを検索すると、フランスの郵便事情の悪さを嘆いたwebサイトやブログが山のようにヒットする。大切な荷物が壊れていた、せっかく送った手紙が不在票もなしに返送されたなど、一つひとつ挙げていくとキリがない。

中でも多いのは「送った小包が届かない」 というものである。フランスで国際エクスプレスメールEMSを担当するのは「クロノポスト」という郵政公社(LA POSTE)の子会社だが、この会社がしばしば配達不備を起こすのだ。

そこで本記事では、もしものために知っておくと役立つwebサイトを3つ紹介する。いずれも発送時にもらった控えに書いてある13桁の「お問い合わせ番号(n° de colis)」が必要となるので、亡くさないよう注意してほしい。以下の情報がトラブルに巻き込まれたとき役立てば幸いである。

1.  日本郵便・郵便追跡サービス(https://trackings.post.japanpost.jp/services/srv/search/

まずは信頼できる日本郵便のサービスを使用したい。「お問い合わせ番号」を入力すると荷物の配送状況を追跡できる。
しかしながら、フランス国内に入ってしまうとこのサービスでは十分に追跡できない場合がある。そんな時は次のサイトを使おう。

2.  Colissimo.fr / Suivre un colis (http://www.colissimo.fr/portail_colissimo/suivre.do?language=fr_FR

LA POSTEの提供するサービス「コリッシモ」である。内容は上の郵便追跡サービスと同じだが、 フランス国内の配達状況を詳しく見ることができる。
ここでプロセスが進行中ならフランスにはよくあることと諦めて気長に待つしかないのだが、もし不穏な動きが見られた場合は以下のサイトを使おう。

3. Colissimo.fr / Service Clients (http://www.colissimo.fr/contact/accueilService.do

コリッシモの問い合わせサービスである。ここから荷物について会社に問い合わせフォームを送信することができる。フリーダイヤル「36 31」に電話することもできるが、電話した場合もここから再度問い合わせるよう指示される場合がある。
ここで問い合わせ、一度で返事が来なかった場合も何度か問い合わせれば問題が解決する場合もある。どうか活用していただきたい。

パリ・マレ地区にあるピカソ美術館が10月25日、5年間にわたる改装を終えてついにリニューアルオープンする。

ピカソ美術館はその名の通り、ピカソの主要作品を収蔵・展示する美術館。パリ3区の高級住宅街マレ地区に所在し、代表作『泣く女』をはじめ、誰もが一度は見たことのある作品が一堂に会する。他にもピカソが個人的に収集した、ルノワールやマティス、セザンヌらの作品もある。窓から日光が差し込み、白を基調とする内装に名画が並ぶさまは、世界中の観光客を感動させてきた。

ピカソ美術館は2009年より改修工事のため閉館している。本来は2011年に再オープンするはずが延期に延期を重ね、現在に至ったのである。

今回の改装の主な目的は展示面積の増設である。美術館が収蔵する5千点の作品のうち、従来は280点ほどしか展示できなかったが、改装により500点ほどが展示できるようになるという。

25日と26日は無料で公開される。25日(土)は12時から18時まで、26日(日)は9時半から18時まで公開となる。27日は月曜のため閉館、28日以降に訪問する場合は予約が必要となる。予約は公式サイトから行うことができる。

また、リニューアルオープンにあわせて、美術館では25日から31日にかけて芸術祭を開催する。世界が待ち望んだ再開であるだけに、美術館がどんな姿に生まれ変わっているのか期待が高まる。25日を楽しみに待ちたいところだ。



フランスのギター奏者ローラン・ディアンスによる「タンゴ・アン・スカイ(Tango en skai)」(1985年)は、クラシックギターの名曲として多くの奏者の人気を集めている。

「en skai」とはフランス語で「合成皮革の」という意味。正統派のタンゴではなくまがい物の作品だというニュアンスをこめ、ディアンス自身が付けた名前だ。

この曲をレパートリーに含めている奏者は日本人の中にも多い。大萩康司がしばしば演奏しているほか、村治佳織の演奏がテレビCMに起用されたことでお茶の間にも浸透した。

Youtubeでは数名のプロ奏者が自身の演奏をアップロードしているのをいくつか紹介する。どれも個性的な演奏で、聴き比べてみるとおもしろい。

Roland Dyens



大萩康司



Mirzoyan-quartet & Artyom Dervoed



いかがだっただろうか。自分の好きな演奏が見つかったという読者は、それをお手本にして練習してみては?
なお譜面は以下のURLから入手することができる(Tab譜)。
http://www.guitaretab.com/r/roland-dyens/178731.html

「Tango en skai」収録CD 



今年9月16日に結成25周年を迎え、先日はTOWER RECORDSの広告ポスター「NO MUSIC, NO LIFE?」にも起用されたロックバンドthe pillowsが10月4日、新盤「BOOTLEG THE PILLOWS」の発売を開始した。

タイトルにあるBOOTLEGとは「海賊盤」という意味。92~93年に録音されたデモ音源を収録し、バンドの「第1期」から「第2期」への変化の過程を記録したアルバムとなっている。

収録曲は以下の11曲。うち5曲は既発表曲の別バージョンだ。

1.Hello Friend
2.アナザーモーニング(Demo Version)
3.僕だけのモナリザ
4.僕でいられるように(Demo Version)
5.Swingers a go! go!
6.彼女は今日(Demo Version)
7.今夜もスローナイト
8.クーパーのポスター
9.NAKED SHUFFLE(Demo Version)
10.FLASH CANDY
11.BEAUTIFUL PICTURE (Demo Version)

「アナザーモーニング」「BEAUTIFUL PICTURE」などファンの間で人気の高い名曲も、別バージョンだとまた違った味わいがある。中には歌詞やメロディが大幅に変更されているものもあり、作詞作曲の過程のほどをしのばせてくれる。バンド結成時からのファンは20年前を思い出し、新しいファンはthe pillowsの今まで知らなかった側面を知ることができる。まさにファンのためにリリースされた一枚と言えるだろう。

なおアルバム「BOOTLEG THE PILLOWS」の価格は税抜1,852円。発売はライブ会場およびBUSTERS SHOPでの通販限定となっている。気になったという読者はライブ会場に足を運んでみては?

来年の9月からフランスに交換留学へ行くことになり、ビザを申請しなければならないという学生さんは多いでしょう。しかしながら、ビザの申請手続きはとにかく面倒くさいもの。Campus Franceにフランス大使館と様々な役所をハシゴしなければいけないのも分かりづらいです。

そこで今回は、交換留学用の学生ビザ申請の手順を説明します。基本的にはCampus Franceのwebサイトにある「手続きの流れ」に従いつつ、適宜補足を加えていきます。なお別のタイプの留学の場合はこれとは少し手順が異なりますので、また稿を改めて紹介したいと思います。

ステップ1:Campus Franceでアカウントを作成する

ビザ申請はフランス政府留学局(Campus France)日本支局を通して行われます。まずはwebサイト(http://www.japon.campusfrance.org/)で自分のアカウントを作成するのが最初のステップです。

ステップ2:オンラインフォームに記入する

基本的にはwebサイトにある「オンラインフォーム入力ガイド」に従い、「学歴」「外国語」「動機」の欄を記入すれば大丈夫ですが、いくつか分かりにくい点があります。
・リンクは文字ではなく、アイコン(虫眼鏡や鉛筆)に張られている。
・ここで添付する書類は「在学中の大学の在学証明書」「フランスの留学先の受け入れ許可証」の2点だけでOK。高校の成績証明書などは不要でした。
記入が済んだら tokyo@campusfrance.org までメールで連絡します。

ステップ3:手続き料金を支払う

アカウント内「メールボックス」に支払いの説明が届いたら、Campus Franceの手続き料金15,000円を指定された口座に振り込みます。アカウント内では20,000円と表示される場合がありますが、実際の振り込みは15,000円で大丈夫です。入金が済んだらCampus Franceまで連絡します。なお、これはあくまでCampus Franceの手続き料金であり、大使館での手続き料金は別にかかりますので、注意が必要です。

支払いを済ませてCampus Franceにメールで連絡すれば、Campus Franceの手続きはこれで完了です。続いてフランス大使館への申請に移ります。

ステップ4:大使館へ必要書類を提出する

在日フランス大使館領事部のビザセクションへ、毎週水曜日の10時~11時半の間に出向いて必要書類を提出します。必要書類はこちらに記載されているものに加えて、Campus Franceの手続後に発行される仮登録証明書(Attestation de préinscription)が要求されます。また、経済証明書は必ずしもフランスでの銀行やフランスでもキャッシュカードが使える銀行でなくてもよく、三菱東京UFJ銀行の残高証明でも受け付けてもらえるそうです。要は定められた以上の就労をしなくても生活できるだけの預金があることが証明できればよいので、金額さえ満たしていれば大丈夫なようです。なお、残高証明発行は1週間程度かかるので、時間に余裕をもって書類を揃えるとよいでしょう。

ステップ5:ビザ発行!

長い手続き期間を経て、ようやくビザが発行されます。審査期間は2~3週間などと言われていますが、交換留学の場合は1週間程度で審査してもらえるようです。

いかがでしょうか。実際はフランス入国後も移民局(OFII)での手続、住宅補助(アロカシオン)申請、健康保険加入など必要な手続きは多いですが、日本国内で必要なことはこれが全てです。以前に比べて簡略化されたとはいえ、今なお複雑なビザ申請手続きですが、本稿が何かの役に立てば幸いです。


パリ中心部、シャンゼリゼ通り近くの「グラン・パレ」(Grand Palais)において10月より、葛飾北斎をテーマとした展覧会「Hokusai」が開催されている。

葛飾北斎(1760-1849年)は、欧米で最も著名な日本人画家として評価が高い。グラン・パレの公式webサイトでは『富岳三十六景』の代表作「神奈川沖浪裏」や、「風流無くてなゝくせ 遠眼鏡」、「鯉(団扇図)」という北斎の作品3点が掲載されれている。

今回の展示はそんな北斎の浮世絵を中心に500点が公開される。国外でこれほど多くの北斎の作品が集まるのは前代未聞のことだという。2016年に東京に北斎美術館が建てられるまでの期間を利用して可能になったものであり、国外在住の方は要チェックだ。海外暮らしに疲れたという読者は、この機会に日本美術の粋を堪能してみては?


「Hokusai」展
場所:Grand Palais (254/256 rue de Bercy, 75577 Paris)
料金:13ユーロ(割引9ユーロ)
会期:2014/10/1~2015/1/18(11/21~30は休館)
開館時間:月曜10~20時、火木金曜10~22時、土曜9~22時、日曜9~20時、水曜閉館)

フランスでそれなりに長く生活するなら、現地で手に入るフリーペーパーは情報を得るのにうってつけである。特にそれが日本語で読めるなら言う事なしだ。

実はフランスには在仏日本人の手によるフリーペーパーが複数存在する。代表的なものをいくつか紹介しよう。


・OVNI (http://www.ovninavi.com/accueil)
毎月1・15日発行
facebook : https://www.facebook.com/ovninavi

・France News Digest (http://www.newsdigest.fr/newsfr/index.php)
毎月第1・3木曜日発行
twitter : @newsdigest
facebook : https://www.facebook.com/france.news.digest

・ FR JAPON (http://www.fr-japon.com/frj/)
毎週金曜日発行


いずれの雑誌も購読は無料。オンライン版のほか、紙媒体は日本人の経営している飲食店などで配布されている。オペラ座近くの日本人エリアで見かけることが多い。また定期購読も可能だ。詳細は公式ホームページをチェックされたい。

内容はニュースやエンタメ情報のほか、フランス生活に役立つコラム、さらには賃貸や求人といった耳寄り情報も掲載されている。時々ワイン試飲会やコンサートなどの招待券が付いてくるのも嬉しいポイントだ。フランスで生活するならぜひ定期的にチェックしておきたい。

早川書房が16日、作家フィリップ・K・ディックのブランドサイトをオープンしたことを発表した。

SF好きにとってフィリップ・K・ディックは避けて通れない存在だ。近未来の管理社会を舞台に形而上学的なテーマを問う作風は、世界中に多くのファンをもっている。近年では『スキャナー・ダークリー』や『マイノリティ・リポート』などが映画化され、話題を呼んだ。

そんなディックの代表作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は『ブレードランナー』として映画化もされ、現在もなおディック作品の中でも特に評価の高いものの一つであり続けている。



『アンドロ羊』原作の早川文庫版は数年前にカバーを一新し、ディックの世界観を表した斬新なデザインが話題を呼んだ。そこで今回、早川書房はディックのブランドサイト立ち上げにあたり、商品第1弾として『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のデザインTシャツをリリースした。


文庫の表紙デザインが大きくデザインされたTシャツで、ファン待望のアイテムだ。サイズはMとL、価格は税込3260円。気になったという読者はぜひブランドサイトから購入されたい。なお今後もアイテムは続々と発表される予定とのこと。早川書房の今後から目が離せない。
 
 

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