『フォーブスアジア』(Forbes Asia)が発表するアジアの富豪一族資産ランキングに、2年連続(2015年・2016年)1位に輝いた一族がある。

それは、サムスン電子(SAMSUNG)で有名な李一族である。

因みに、このランキングに日本からはサントリーの佐治家(18)、森ビルの森家(33)がランクインしているが、2015-17年のランキング上位を大きく占めているのは香港とインドの一族が多い。


サムスングループの起源は、1938年、 秉喆(イビョンチョル)が大邸で設立した三星(サムスン)商会(現:サムスン物産)である。

以降、太平洋戦争、大韓民国の成立、朝鮮戦争と、朝鮮半島が大きく揺れ動いた時期を経て、食料品、繊維、造船、機械などなど、時代のニーズに合わせて様々な事業を展開した結果、今のサムスンがある。

特にサムスン電子の電子機器は、世界中どこでも目にする製品であろう。


そんなサムスン一族が経営する三星美術館が韓国・ソウルにある。

李一族の名をとって「Leeum」(リウム)と名付けられた美術館は、2004年に開館した。


1

韓国の古美術を常設展示するMUSEUM 1と韓国と外国の近現代美術を除雪展示するMUSEUM 2、三星児童教育文化センターで構成されている。

この三つの建物からなる美術館は、それぞれ現代を代表する建築家マリオ・ボッタ(Mario Botta)、ジャン・ヌーベル(Jean Nouvel)、レム・コールハース(Rem Koolhass)によって設計された。


2

館内の大半の美術品は当然のことながら撮影禁止であるが、ここでは、撮影許可を得られたエリアの写真をもとにその魅力を紹介していきたい。


3
アニッシュ・カプーア 『大きな樹と眼』(2011)


まず館内に入って目につくのは、イギリスの現代美術家リアム・ギリック(Liam Gillick; 1964-)
によるカフェのモジュールである。


4

アルミニウムで作られたカラフルなモジュールは、壁の装飾、庇、パーテンションとして、カフェの空間を自由に組み替える用に使われている。

モジュールの組み合わせによって、カフェはその時々ごとに違う顔を見せる。

訪れた人を飽きさせない憩いの場であろう。


そしてMUSEUM 1に配置された崔正和(チェ・ジョンファ:1961-)による「錬金術」という作品は圧巻である。

5

MUSEUM 1を鑑賞した後、MUSEUM 2に移動する際に通る白いロタンダ(円形の建物)の螺旋階段からロビーにかけて吊るされた本作。

このカラフルな作品は、なんとプラスチックからできている。

その日の光の加減で、宝石のように煌めくこの作品は、まさに「錬金術」のような魔法にかかっていると言えるだろう。


さらに、進むとデンマークの作家オラファー・エリアソンの「重力の階段」が登場する。

6

霧、雨、虹といった自然現象を美術館の中に持ち込んだ作品で知られるエリアソン。

MUSEUM 1とロビーを結ぶこの階段には、太陽系を光の輪で表す作品が設置されている。

天井と前面の壁が鏡になっていることにより、無限に広がる宇宙空間を体現。

鑑賞者は、階段を下りていくにつれて、固定されない視点で太陽系を眺めることができるという装置である。


またロビーには日本の彫刻家・名和晃平(1975-)の作品が設置されている。

7

彼の作品には国内外からのファンも多く、美術品収集家として有名なT.O.P.(韓国のアイドルグループBIGBANGのメンバー)も自宅にその作品を置いている。


BIGBANGBAE BAE(2015)MVに名和晃平作品が登場


また名和晃平は、アーティストの清川あさみを妻とし、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの代表取締役・前澤友作との親交があることでも有名である。

20187月、フランスのルーブル美術館にも設置された名和晃平の作品。

そんなアートが、ここLeeumのロビーで心ゆくまで観ることができるのである。

8
8a

その他、本記事では写真を掲載できなかったが、現代アートを所蔵するMUSEUM 2では、韓国出身の世界的作家ナム・ジュン・パイク、鄭然斗(ジョンヨンドゥ)、梁慧圭(ヤンへギュ)や、外国人作家アルベルト・ジャコメッティ、フランシス・ベーコン、マーク・ロスコ、デミアン・ハースト、ジェフ・クーンズ、ゲルハルト・リヒター、ルイーズ・ブルジョワ、村上隆などなど、現代を代表する作家の作品が目白押しである。


サムスン一族の財力によって世界中から集められた美術品を堪能することができる美術館、それがLeeumである。


最後に、このLeeumがある梨泰院エリアのお勧めカフェを紹介する。

まるで日本の代官山のような梨泰院エリア。

そんなエリアで韓国のアートディレクターCha In Chulさん(Instagram:@inch_inch_inch)が経営するコーヒースタンド33 apartment(@33apartment)がある。

9
10

Cha In Chulさんがデザインしたインテリアやグッズが魅力的である。


そんな33apartmentのスタッフの方に教えていただいたランチスポットが、Underyard@underyardseoul)である。

11

ただお洒落なだけではなく、野菜が盛りだくさんのプレートはしっかりと食べ応えがある。


現代アートとデザインカフェ。

次回の韓国旅はこのようなプランでも良いかもしれない。



館内情報

三星美術館Leeum

住所:ソウル特別市龍山区梨泰院路ギル60-16140-893、大韓民国

公式HPhttp://leeum.samsungfoundation.org/html_jpn/global/main.asp

観覧時間:10:00-18:00(チケット販売は17:30まで)

休館日:毎週月曜日、11日、旧正月連休、秋夕連休

料金(常設展示):一般 10.000ウォン、青少年(7-24)5.000ウォン

  • 6歳以下の未就学児童・メンバーシップ会員無料。

  • 身障者、国家有功者、65歳以上の方は50%割引。

  • 20名以上の団体は、訪問日の3日以前の予約により30%割引適用。

音声ガイド:韓国語、英語、中国語、日本語対応(1.000ウォン)


店舗情報

33 apartement

営業時間:8:00-18:00(月曜-土曜)、10:00-18:00(日曜日)

住所:33 Hannam-daero 27-gil, Hannam-dong, Yongsan-gu, Seoul, 大韓民国

HP: Instagram @33apartment

Cha In ChulさんのHPhttp://www.inchworkroom.com


Underyard: coffee&daily kitchen

営業時間:10:00-19:00B1/10:00-22:001階)

住所:26 Hannam-daero 27ga-gil, Hannam-dong, Yongsan-gu, Seoul, 大韓民国

HPInstagram @underyardseoul 

(author : 増永 菜生)