プラダ財団アート複合施設内に映画『犬ヶ島』(原題:Isle of dog)(2018年)の監督ウェス・アンダーソンがデザインしたカフェBar Luce (バール ルーチェ)がある。
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そこはまるでウェス・アンダーソンの代表作『グランド・ブダペスト・ホテル』(原題:The Grand Budapest Hotel)(2014年)の世界観。
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ウェス・アンダーソンは次のようにコメントを残している:
「この空間に観念的な観点はないんだ。
現実の営みとして捉えるために、会話、読書、食事、コーヒーのために快適な場を設ける必要があった。
ここはそれをするのに最高の場だと思っているけど、映画を書くのにも相応しい場だとも考えているよ。
映画のようではなくいつも過ごしている午後のような一つの場としてこのバールを造ろうとしたんだ。」

また内装の細部は、ミラノ中心地にあるヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガレリアをモチーフにしており、このバールはガレリアのミニチュアとも言える。
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インテリアは、ウェス・アンダーソンの短編映画『カステッロ・カヴァルカンティ』(2013年)(原題:Castello Cavalcanti)も着想を得たところのイタリアの1950年代から1960年代のポップカルチャーや美学を思わせるものとなっている。
また第二次世界大戦後のイタリアで始まったネオリアリズムの傑作として名高いヴィットリオ・デ・シーカの『ミラノの奇跡』(1951年)(原題:Miracolo a Milano)とヴィスコンティの『若者のすべて』(1960年)(原題:Rocco e i suoi fratelli)も内装に大きな影響を与えているという。
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1943年にムッソリーニが失脚し、敗戦国となったイタリアは1950年代に、経済的・文化的に奇跡の大復興を遂げた。
このような輝かしいイタリアに憧憬を寄せつつ、空間を楽しむことができる。
バールの窓から眺めたFondazione Pradaの建物。
Image from iOS
カウンター席のコーヒーは何と1杯から飲むことができる。
(テーブル席では15%のサービス料が加算)
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また豊富なドリンク、ドルチェ、パニーニメニューも、市内のバールのメニューの相場と変わらない。
注文を受けてから挟まれるパニーニ(イタリアのサンドイッチ)の具材たち。
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またジェラートも。
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カウンター席には充電スポットあり。
館内鑑賞中に消費したバッテリーの充電にうってつけである。
(館内一部撮影禁止)
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確かに、限りなく細部にこだわったバールである。
しかしながらウェス・アンダーソンが述べる通り、ミラノでの普段の生活の中で時を過ごすことができるバールである。
Fondazione Pradaの入場料を払わず、バールだけの利用も可能。
まずはコーヒー一杯から飲みに訪れたい。

Bar Luce (バール ルーチェ)
公式HP:http://www.fondazioneprada.org
Largo Isarco 2, 20139, Milano, Italy

月・水・木曜日:9:00〜20:00
金・土・日曜日:9:00〜22:00
火曜定休

アクセス
・Centrale FS(中央駅)から:地下鉄M3(黄色線)Lodi (ローディ) T. I. B. B.駅より徒歩10分
・Duomo(ドゥオーモ)から:ドゥオーモ裏側Piazza Fontana(ピアッツァ・フォンターナ)発着トラム24番から10駅目Via Lorenzini (ヴィア・ロレンツィーニ)停留所より徒歩5分

(author: 増永菜生)