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本日11月14日はインスリン(インシュリン)を発見したカナダ人医師フレデリック・バンティングの誕生日。これを記念してGoogle日本語版のトップページも一日限定のオリジナルロゴに変更されている。

このロゴ変更はGoogleのお遊び機能「Doodle」(ドゥードゥル)によるものだ。Doodleの公式Webサイトによると、今回のロゴ変更は日本語版の他、 アメリカ合衆国やロシア、EU諸国やオーストラリアなど、多くの国・地域で見ることができるようだ。もちろんバンティングの祖国であるカナダでもDoodleロゴを見ることができる。そんなフレデリック・バンティングとは一体どのような人物なのだろうか。

フレデリック・バンティング(Frederick Banting)は1891年11月14日、カナダのオンタリオ州の農家の家に生まれた。1916年にトロント大学医学部を卒業すると、軍医として第一次世界大戦に従軍。戦後はカナダに戻り、医学研究者としてのキャリアを開始した。

バンティングが自身の専門としたのは内分泌学だった。当時、血管を通じて輸送される伝達物質(ホルモン)を安全に分離する技術はまだ確立されていなかった。もしホルモンを安全に大量生産することができれば、糖尿病の治療が劇的に改善する。当時、ドイツの医学者パウル・ランゲルハンスらの研究を基礎として、糖尿病と膵臓に関連があることは知られていたが、その物質が何であるかはまだ明らかになっていなかった。そこで、膵臓の内分泌を専門とするフレデリック・バンティングは学生のチャールズ・ベストとともに、犬を使った動物実験を繰り返した。

実験の結果、 膵臓管を縛って中にホルモンを溜め込んだ犬の膵臓から抽出した物質を、糖尿病を患った他の犬に投与すると、その犬の寿命が伸びることが明らかになった。バンティングは実験を重ね、膵臓ホルモンを安定的に抽出する方法を確立。ホルモンは「インスリン」と名づけられた。

インスリンの発見によって、糖尿病の治療は劇的に改善された。当時はまだ糖尿病患者に対しては食事制限による療法しか存在しなかったが、インスリン投与による治療法が確立されたのである。フレデリック・バンティングはこの功績により巨額の富を得ることもできたが、彼はインスリンの特許を大学に1ドルで譲渡。この無私の精神は多くのカナダ人を感動させた。


こうした功績をたたえ、フレデリック・バンティングは1923年ノーベル生医学賞を受賞。バンティングはその賞金を学生のベストと山分けした。1934年には英国王ジョージ5世によってナイトの称号を授与された。

フレデリック・バンティングは1941年2月20日、イギリスへ向かう飛行機の墜落事故により死去。49歳の生涯だった。 

現在、糖尿病治療の基本の一つとなっているインスリン投与療法が確立されてからまだ100年も断っていないことに驚かされるが、今日はGoogleトップページの特別ロゴを見て、医学の発展に思いを馳せてみてはいかがだろうか。