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2016年11月8日の大統領選挙の結果、正式に次期アメリカ大統領に選出されたドナルド・トランプ。そんなトランプが過去に行った伝説のプロレス名(迷?)試合がある。

試合の名は「バトル・オブ・ザ・ビリオネアーズ」。2007年に行われた。億万長者対決という名が示すごとく、当時不動産王として君臨していたトランプとプロレス団体WWE代表のビンス・マクマホンが互いのプライドを賭けて争った試合だ。当時両者ともヅラ疑惑があったため、「負けた方が坊主」という屈辱的な罰ゲームが設定された。

ビンスはウマガとアルマンド・エストラーダを、対するトランプはボビー・ラシュリーを代理レスラーに立て、試合開始。「お前はクビだ!」が口癖(持ちネタ)の名悪役支配者ビンスがブーイングとともに入場したのに対し、人気者トランプはミスUSAをはべらせて登場。場内には100ドル紙幣が舞った。

結果、試合はトランプチーム優勢のもとに終盤を迎える。レフェリーを罵倒するビンスに対し、突如トランプが走り寄りラリアットを食らわす。そのまま馬乗りになりビンスをぶん殴るトランプ。試合はトランプチームの勝利に終わる。ビンスにはバリカンでツルッパゲの刑という哀れな結末が待っていたのだった…。
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上の画像はトランプチームと審判によって刑を執行されるビンス。なお、試合の動画はYoutubeのWWE公式チャンネルから見ることができる。

こうしたトランプのプロレス的なエンターテインメントの能力が、今回の大統領選でも活用されたという見解も多い。実際、「バトル・オブ・ザ・ビリオネアーズ」の筋書きは純粋にエンターテインメントとして見た時、非常に面白いことは事実だ。トランプの演説もそうしたプロレス的な芝居臭さで有権者の感情に訴えかけるものである。

しかしながら、エンターテインメントに没入して思考停止に陥る危険を忘れてはならない。なぜなら、現実の政治にはプロレスのような筋書きは存在しないからだ。屈強なレスラーや全米一の美女を従える「男らしさ」がトランプの魅力であることは確かだが、現実政治の難局を前に退散する惨めな姿を衆目に晒すことがないか、保証はできない。新大統領は今後アメリカ社会の直面する難局に立ち向かうことができる能力を備えているのか、その政権運営の手腕に注目が集まっている。

photo: businessinsider.com