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本日2016年10月5日をもって、シベリア鉄道の開通からちょうど100週年を迎える。これを記念して、Googleトップページも特別アニメーションに変更されている。

このGoogleトップページ変更は、記念日を祝う特別機能の「Doodle」(ドゥードゥル)によるものだ。ロシア・アヴァンギャルド風のアニメーションによって、シベリア鉄道とその沿線の風景が表現されている。Doodleの公式webサイトによれば、今日のトップページ変更は日本の他、ロシアやヨーロッパ諸国など、シベリア鉄道に縁のある地域を中心にいくつかの国で見ることができる。

このDoodleの作成者はMatt Cruickshank氏。2015年にシベリア鉄道で旅行した経験をもとに、アニメーションを作成したという。ちなみに使用されている音楽はチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」第2楽章のワルツだ。

シベリア鉄道といえば、北海道への延伸案がつい昨日発表されたばかり。開通から100年を経てもなお陸上交通の要としての地位を誇るシベリア鉄道、一体どのような歴史を辿ってきたのだろうか。

現在のシベリア鉄道の路線が開通したのは1916年10月5日だが、その計画は19世紀半ばにまでさかのぼる。イギリス人スチーブンソンによる蒸気機関車の実用後、サン=シモン主義者の思想的後援などもあり、鉄道は次々にヨーロッパ大陸へ敷設されていった。そうした中、ロシアにもフランスの商業資本により鉄道建設の波が押し寄せる。

19世紀後半になるとシベリア鉄道の計画は実行に移され、ついに1891年、皇帝アレクサンドル3世の命により鉄道建設が開始された。計画の背景には物資輸送による流通経済の活性化の他、兵站の輸送という軍事目的もあった。日露戦争前夜、明治政府の指導者たちがシベリア鉄道の完成によるロシアの軍事力強化を恐れたのは有名な話だ。

シベリア鉄道の建設作業は流刑者の囚人労働などにより進められ、ついに1916年10月5日、現在のルートが完成した。シベリア鉄道は現在、モスクワ~ウラジオストク間を7日間で結ぶ鉄道として現地住民の足となっている他、バックパッカーにも人気の高い旅行ルートとなっている。沿線では英語が通じない場所も多いが、飛行機の旅とはまた違った風情を楽しむことができるだろう。興味を持った方は、一度旅行を検討してみてはいかがだろうか。