岩崎瀧三 生誕121周年
今日は食品サンプル生みの親である岩崎瀧三の誕生日。これを記念して、Googleトップページのロゴも食品サンプルを模したイラストに変更されている。 

Doodle公式サイトによると、今日のロゴ変更は日本の他にも韓国やオーストラリア、インドネシアなどで行われているようだ。レストランでおなじみのプラスチック製(発明当初は蝋製)のレプリカは日本のみならず、世界中で見ることができる。そんな食品サンプル生みの親である岩崎瀧三とは、一体どのような人物だったのだろうか。

岩崎瀧三は1895年(明治28年9月12日)、 岐阜県で生まれた。少年だった岩崎はロウソクの蝋が水に落ちて花のびらように固まるのを見て遊んでいたが、このことが後に食品サンプルを蝋で製作するアイデアにつながったという。

ちなみに、食品サンプルを発明したのは岩崎瀧三ではない。大正末期から昭和初期にかけて日本でも百貨店(デパート)が営業を開始し、レストランのショーケースに展示する食品レプリカが開発されていた。岩崎瀧三はそうした食品サンプルに目をつけ、妻・すゞの協力も得て、精巧なオムレツのレプリカを製作。1932年(昭和7年)に岩崎製作所を創設し、食品サンプルの事業化に日本で初めて成功した。

岩崎製作所の食品サンプルは大阪を拠点に営業を行い、そごう百貨店での採用を皮切りに、全国のデパートに製品を納入した。戦時中は材料不足のため一時営業を停止したが、戦後1950年に事業を再開する。創業者の岩崎瀧三は1961年に会長に就任、岩崎製作所は現在「株式会社いわさき」として、食品サンプル事業の全国シェア最大手として活動している。

なお、岩崎瀧三の故郷である岐阜県郡上市八幡町では現在、食品サンプル作りが体験できる「サンプルビレッジ・いわさき」が営業している。家族で楽しめる施設なので、興味を持った方は体験してみてはいかがだろうか。