Chinese_straddling_bus_3D_Express_Coach
中国では現在、画期的な新交通システムの計画が実用化に向けて進んでいる。

記事冒頭に掲載した計画イラストを見れば分かる通り、一見普通の路面電車のようだが、よく見ると何かヘン。一体どんな計画なのか、さっそくデモ動画を見てみよう。



これは……

路面電車に見えたチューブは車の通る幹線道路を跨ぐように走っており、渋滞を緩和する様子がわかる。乗客は道路の途中に設けられたステーションからエレベーターで乗り降りする仕組みのようだ。何とも驚きの光景である。

これはStraddling BusやTunnel Busなどと呼ばれている計画で、2010年に初めて一般公開された。その後現地当局との交渉などを経て、2016年8月、ついに実機による実証試験が行われる運びとなった。


心配なのは車との接触事故だが、電車の軌道がガードレールの外を通るようになっていたり、交通事故の際は安全装置が作動するなど、動画を見る限り、安全対策も十分に考慮されているようだ。

ちなみに「列車を空中に走らせて交通をスムーズにする」という発想自体はこれが初めてではない。湘南モノレールなどの懸垂式モノレールはその代表的なものであり、また、19世紀末のパリでは(現在は地下鉄として地中を走っている)メトロの線路を橋上に敷設し、将来的には浮遊力により「空中メトロ」を実現しようというSFじみた計画も存在した。
img-19-small580
img-20-small580
今回の上海のStraddling Bus(立体快巴)も一見SFじみているが、実用化されれば都市空間そのものを一変させてしまう可能性をも秘めている。計画が今後一体どのように進展するのか、上海の動向から目が離せない。

photo: wikimedia commons