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現在開催中のカンヌ国際映画祭にて、経済学者のトマ・ピケティは自身の代表作『21世紀の資本』が映画化されることを発表した。

トマ・ピケティはフランス国立社会科学高等研究院に所属する経済学者。『21世紀の資本』は世界における不平等の拡大を膨大なデータから歴史的に明らかにした著作である。英語圏で発売されると世界的なベストセラーとなり、「オキュパイ・ウォール・ストリート」運動などにも影響を与えた。

カンヌ国際映画祭で行われた発表によれば、映画はフランスとニュージーランドの合作によるドキュメンタリーとなる。制作はGeneral Film Corporation、監督を務めるのはJustin Pembertonだ。環境問題を扱ったアル・ゴアのドキュメンタリー『不都合な真実』(2006年に映画化)の経済学版のようなイメージを目指しているという。

今回の映画では、ドキュメンタリーによくありがちな学者にインタビューを行う形式は取らないという。ピケティはインタビューに答えて「私の声を聞きたいなら、私の本を読んで、既存のビデオ映像を見ればよいのです。私たちは資料映像を用いて歴史を語ろうと試みています」と語っている。

経済学の著作を実写化するというのは困難な課題に思われるが、ピケティによれば、「私が描写したストーリーは非常にビジュアルです。不平等の歴史は戦争や革命など、19・20世紀に起きたあらゆる衝突の争点でしたから、それらを映像で見せることは可能でしょう」とのこと。冗談好きなピケティは「もちろん、私の本を読むのが一番ですがね」と付け加えるのも忘れなかった。実際、原書で970ページの大著を買いはしたものの、最後まで読み通した読者は少ないようだ。

なお、映画版『21世紀の資本』の撮影は夏から開始される予定。いったいどんな作品になるのか、完成が楽しみだ。