Freimaurer_Initiation
パリ・ベルシー地区のフランス国立図書館(Bibliothèque nationale de France)では4月12日より、秘密結社「フリーメイソン」をテーマとした特別展が開催されている。

秘密結社「フリーメイソン」とは?

フリーメイソンはヨーロッパを中心に数百年に渡って実在する秘密結社。「フリーメイソン」というと何やら世界を陰で支配している悪の組織のようなイメージを持たれがちだが、この「陰謀論」は今から100年ほど前に悪質な反ユダヤ主義によって流布したもの。実際のフリーメイソンは上流階級のための社交クラブだ。

フリーメイソンは中世の大聖堂の建造に携わった石積み職人の互助組合を前身としているが、上流改装の社交組織としてのフリーメイソンは18世紀初頭にロンドンで生まれたとされている。ユダヤ教や神秘思想に題材を取った制服や儀礼は、仲間内での結束を強めるためにこのとき考案されたものだ。先述の通り、フリーメイソンは上流階級の社交の場となったため、当時ヨーロッパで活躍した多くの有名人が加入した。例えば作曲家のモーツァルトはウィーンでフリーメイソンに加入し、儀礼のための音楽をいくつか作曲した。また、モーツァルトの代表的なオペラ『魔笛』のストーリーは、フランスの音楽学者ジャック・シャイエによれば、フリーメイソンの入会儀礼をモチーフにしているという。

以上のように、フリーメイソンは上流階級の社交組織であったため、歴史学において社会史・文化史の重要な研究テーマとなってきた。日本語で読める文献にはピエール=イヴ・ボルペール『「啓蒙の世紀」のフリーメイソン』などがある。今回、フランス国立図書館で開催されるフリーメイソン展も、そうした研究成果を反映したものである。


「フリーメイソン展」内容紹介

フランス国立図書館は、フランスで出版された全ての書籍を所蔵する図書館。その中にはフリーメイソン関連の貴重な文献も含まれている。また、パリにはグランド・ロッジであるフランス大東方会に隣接した「フリーメイソン博物館」も存在する。今回の展示では、これらのコレクションから厳選した450点を一般に公開し、フリーメイソンの歴史的真相に迫る内容となっている。責任者はフリーメイソン博物館のピエール・モリエ氏。フランス国立図書館の広報誌『Chroniques』最新号にはモリエ氏のインタビューが収録されているので、気になった方は要チェックだ。

「フリーメイソン展」概要

  • 場所:フランス国立図書館ミッテラン館(Bibliothèque nationale de France - Site François-Mitterrand)
  • 所在地:Quai François Mauriac, 75013 Paris(Google Maps
  • 会期:2016年4月12日~7月24日(月曜日と祝日は閉館)
  • 開館時間:火~土:10-19時、日:13-19時
  • 入場料:9ユーロ(割引7ユーロ) 
  • 公式サイト:La franc-maçonnerie - Exposition
photo: commons.wikimedia.org