2016y01m29d_161658206
今日はインドの女性アーティスト、アムリタ・シェール・ギルの誕生日。これを記念して、Googleロゴも一日限定の特別イラストに変更されている。

アムリタ・シェール・ギルの生涯

20世紀インドで最も偉大な女性芸術家とされるアムリタ・シェール・ギル(Amrita Sher-Gil)は、1913年1月30日にハンガリーのブダペストで生まれた。父親はインド・パンジャーブ地方のシク教徒、母親はハンガリーのユダヤ教徒だった。アムリタ・シェール・ギルは幼少期の多くをブダペストで過ごしたが、1921年、家族と共にインドへ移り住んだ。1923年、母親がイタリア人彫刻家と知り合いになったことでアムリタ・シェール・ギルはイタリアへ渡り、芸術学校で学ぶようになる。しかし翌年にはインドへ戻った。

アムリタ・シェール・ギルは16歳になると今度はパリへ渡り、伝統的な芸術学校である「エコール・デ・ボザール」で学ぶ。ここで彼女はセザンヌやゴーギャンなどの影響を受け、独自の画風を生み出していった。1930年代初頭、彼女の作品はパリのボヘミアンたちのサークル内で大いにもてはやされたという。

1934年、アムリタ・シェール・ギルは再びインドへ戻る。彼女はここでインドの伝統的な絵画を探求し、徐々にその画風を変化させていった。1938年に結婚。この時期彼女は詩人タゴールらとともに「ベンガル派」と呼ばれる芸術グループを形成し、インド・ベンガルの芸術復興に貢献する。

1941年、アムリタ・シェール・ギルは個展の準備中に重い病におかされ、12月6日にラホールで亡くなった。若干28歳だった。

アムリタ・シェール・ギルの評価

アムリタ・シェール・ギルはその後、インドの多くの画家に影響を与えた。現在では彼女の絵画はインドの女性画家としては特に高額で取引されているほか、ポスターの題材としても大衆的な人気を博する画家となっている。

なお、今日のGoogleロゴのモチーフとなっているのは1935年に描かれた「三人の少女」。アムリタ・シェール・ギルが活動の場をインドに移してから最初期に描かれた作品であり、ボンベイ芸術協会が実施したコンクールで金賞を受賞した。