日本時間14日朝(現地時間13日夜)、パリ中心部で複数の銃撃事件が発生した。自動小銃「カラシニコフ」(AK47)による犯行だという。

事件の概要

  • パリ市内複数か所で銃撃事件
  • うち1か所で人質立てこもり
  • 少なくとも42名が死亡
  • 北郊外の競技場でも自爆テロ

パリ市内の銃撃事件

仏紙『ル・フィガロ』の報道によれば、銃撃事件が発生した場所は10区から11区にかけてのフォンテーヌ=オ=ロワ通り(rue de la Fontaine au roi)、シャロンヌ通り(rue de Charonne)、ヴォルテール通りなど複数個所。事件現場となった場所には在留邦人にも人気のカンボジア料理レストラン「プティ・カンボッジ」(Le petit Cambodge)や劇場「バタクラン」(Bataclan)なども含まれており、パリ住人の間に動揺が広まっている。以下の写真は、事件発生後のレストラン「プティ・カンボッジ」の様子である。


パリ市内の大通りでは警察・救急車両が多数出動している。さらにバタクランでは現地時間13日22時39分(日本時間14日6時52分)現在、人質事件に発展しており、予断を許さない状況となっている。日付が変わってから警察の特殊部隊「RAID」が動員され、バタクラン劇場に突入。犯人2名は殺害された。報道によれば、これら一連の事件により100名以上が犠牲になったという。

競技場「スタッド・ド・フランス」で爆発音発生

さらに、報道によればパリ北部の郊外にある競技場「スタッド・ド・フランス」でも複数の爆発音が聞こえたという。その後、爆発は自爆テロによるものだったことが判明。スタッド・ド・フランスはサン・ドニにある競技場で、1998年サッカーワールドカップのために建造された。以下の動画から爆発音発生当時のスタジアムの様子を確認できる。


爆発が発生した当時、スタジアムではフランスとドイツのサッカーの親善試合が行われていたが、会場は安全のため一次封鎖された。現地時間13日23時(日本時間14日7時)ごろ、観客も誘導を受けてスタジアムから退避を開始した。


事件発生当時、フランソワ・オランド大統領もスタジアムで試合を観戦していたが、安全のためボディガードの護衛を受け会場を離れた。オランド大統領はマニュエル・ヴァルス首相およびベルナール・カズヌーヴ内相と共に、現在事件への対応を協議している最中とのこと。

現地時間14日午前0時(日本時間同日8時)ごろ、オランド大統領は国家非常事態宣言を発令。犯人の逃亡を防ぐため、国境の封鎖を決定した。オランド大統領は宣言の中で、国民が団結してテロリズムに立ち向かうべきことを発表した。パリでは現在、数千名規模の軍隊が動員され、警戒に当たっている。また、パリの学校・大学は明日、臨時休校となる。

今年1月に発生した同時多発襲撃事件以来、パリ市民の間では事件への恐怖と動揺が広がっている。Twitterではハッシュタグ「#PrayForParis」が登場するなど、パリ市民を支える動きが現れている。