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今日10月13日はヌスラト・ファテー・アリー・ハーンの誕生日。Googleのトップページも記念イラストに変更されている…って、どなた?

ヌスラト・ファテー・アリー・ハーンとは?

ヌスラト・ファテー・アリー・ハーンはパキスタン生まれのミュージシャン。「Q誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において56位にランクインするなど、その人気は世界的なものだ。

ヌスラト・ファテー・アリー・ハーンの音楽ジャンルは、イスラーム教の宗教音楽「カッワーリー」である。カッワーリートはスーフィズム(イスラーム神秘主義)の宗教儀礼において使用される音楽。儀式の参加者はリズムに合わせて集団で歌い、また音楽を聴くことで陶酔感と一体感を味わい、神の境地へと近づこうとするのだ。

このように書くと堅苦しく感じるかもしれないが、カッワーリーは実際には、以下の動画のようにポピュラー音楽にも取り入れられている、大衆的なカルチャーである。筆者にはアフガニスタン出身の友人がいるが、彼も音楽プレーヤーにカッワーリーを何曲か入れて日常的に聴いていた。



ヌスラト・ファテー・アリー・ハーンはそんなカッワーリーの代表的な歌い手。声質や音楽性などの点で、他の歌手とは一線を画していると言ってよい。

ヌスラト・ファテー・アリー・ハーンの生涯

ヌスラト・ファテー・アリー・ハーン(Nusrat Fateh Ali Khan)は1948年10月13日、パキスタンのパンジャーブ地方に生まれた。ヌスラトの実家は600年に渡ってカッワーリー歌手をつとめる名家であり、ヌスラトも父親などからカッワーリーのエリート教育を受けた。

ヌスラト・ファテー・アリー・ハーンは歌手デビュー直後から頭角を現し、80年代には西洋の音楽シーンに進出するようになる。87年に発売されたアルバムEn concert à Paris(コンサート・イン・パリ)は世界中で注目され、ヌスラトの音楽はティム・ロビンス監督のハリウッド映画「デッドマン・ウォーキング」でも使用された。



そんなヌスラト・ファテー・アリー・ハーンは日本に来たこともある。1987年に国立劇場で初来日公演を果たして以来、90年代にかけて数度来日。1996年には第7回福岡アジア文化賞の芸術・文化賞を受賞した。1997年8月16日、腎臓病により死去。48歳という若さだった。

そんなヌスラト・ファテー・アリー・ハーンの歌う姿を描いた今日のGoogleロゴ、高く掲げた左腕がGoogleの「l」の形になっている。これは記念日を祝うGoogleのお遊びイベント「Doodle」によるもの。Doodleの公式サイトによると、日本の他の表示地域は、インド、パキスタン、スウェーデン、ケニア、ガーナの5か国のみとのこと。

ヌスラトのアルバムは現在でも流通している。ワールドミュージックに興味のある読者は手に取ってみてはいかがだろうか。

photo: google.com