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科学技術の歴史にまた一つ、新たなページが書き加えられようとしている。アメリカの探査機「ニュー・ホライズンズ」が14日、冥王星に最接近するのだ。

冥王星探査機「ニュー・ホライズンズ」とは?

冥王星の探査を今回行う「ニュー・ホライズンズ」は、アメリカ航空宇宙局(NASA)による探査機。冥王星など太陽系外縁天体の調査を目的とした探査機である。機体には、冥王星の発見者である米国のアマチュア天文学者クライド・トンボー氏の遺灰も積まれている。ニュー・ホライズンズはアトラスVロケットによる2006年の打ち上げ後、十年の時と59億キロメートルの距離を経て、今回ついに冥王星へ到達した。
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ニュー・ホライズンズの冥王星探査

ニュー・ホライズンズは2015年1月より冥王星の観測を開始。2月には冥王星とその衛星カロンの写真を公開した。7月上旬には通信断絶が起こるなどのトラブルも発生したが、スタッフの尽力により復旧。11日には人類史上初となる冥王星の高解像度写真が公開された。
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さらに、ニューホライズンズの観測データにより、冥王星の直径に関する論争に終止符が打たれることとなった。従来、冥王星の直径は2,300kmほどという説が有力だったが、今回の観測により、冥王星の直径はそれよりも少しだけ大きい2,370kmであることが分かったのだ。

今後の冥王星探査

探査機ニュー・ホライズンズは日本時間14日20:50ごろ、冥王星に最接近する。最接近の際、今よりもさらに高解像度の写真を撮影する予定となっている。知られざる準惑星は、一体どのような姿を我々に見せてくれるのだろうか。撮影した画像が地球に届くのは早くとも16日未明とされる。期待してその時を待ちたい。

photo: wikimedia.org, itmedia.co.jp