nutella
ジョークのような本当の話だ。チョコレート味のスプレッド「ヌテラ」をめぐってフランス・イタリア間で外交問題が発生したのだ。

「ヌテラ」(Nutella)はイタリアのフェレロ社が製造するスプレッド。ヘーゼルナッツをベースにしたチョコレート風味のペーストで、世界中で「中毒者」が続出する人気商品となっている。ところが、そんなヌテラをめぐって国際問題が発生している。一体どういうことなのだろうか?

発端はフランスのセゴレーヌ・ロワイヤル環境相によるテレビ番組中の「失言」だった。ロワイヤル環境相は15日、フランスの大手テレビ局「Canal+」のインタビューに答えて次のように述べた。
私たちはヌテラを食べるのをやめるべきです。なぜなら、ヌテラにはパーム油が多く入っていますから。
この発言は、パーム油を産出するアブラヤシの栽培が熱帯林の伐採を伴うことを警告したものだった。ところが、特定企業の製品を槍玉にあげたロワイヤルの発言はイタリア国内で「炎上」。謝罪を求める騒ぎとなったのだ。

これに対して17日、ロワイヤル仏環境相は自身のTwitterアカウントで謝罪。一まず状況の鎮静化を狙う行動に出た。


ヌテラをめぐって一国の大臣が謝罪するというのは大げさな気もするが、実はこの事件は仏伊間の経済摩擦に根差している。現在、フランスはヌテラの一大市場となっている。これを問題視したフランス上院では2012年、イタリア産のパーム油に対して300%もの関税を課す法案が提出されたのだった。

結局この法案は廃案となったものの、今回思わぬ形で「ヌテラ問題」が再燃することになった。仏伊国境では先日も、アフリカからの移民がフランス入国を拒否されて立ち往生する事件が発生したばかり。現実の国際関係はヌテラのように甘くはないのだった。

photo: aujourdhuilaturquie.com