3e148af2-3a26-11e2-a63d-993dbb398d00_web
フランスでとんでもないポイントカードが発見された。

ポイントカードと言えばスーパーやファストフード店などで欠かせないアイテム。フランスでもスタンプを押して数回の利用で一回分が無料になるスタイルが一般的となっている。

今回フランス南部の都市マルセイユで発見されたのは、そんなポイントカードが麻薬売買に利用された事案である。現地の新聞「ラ・プロヴァンス」5月21日付の報道によれば、マルセイユで活動する複数の麻薬ディーラーがマリファナの売買にポイントカードを利用していたという。同紙に掲載された写真を見るかぎりでは、10ユーロの利用毎にスタンプが押され、スタンプ10個で一回分の割引となるシステムのようだ。


「ラ・プロヴァンス」の見出しは「このディーラーは商売のセンスがある」と扇情的なタイトルなっている。インタビューに答えた31歳の常連客は「街角のピザ屋を利用するような感覚だったよ」などと語っており、違法な薬物の売買を気軽に行える事態の深刻さを物語っている。

今回事件が発覚した南仏のマルセイユは「HLM」と呼ばれる低所得者向けの集合住宅が密集しており、フランスの中でも特に治安の悪い町として知られる。またマルセイユのみならず、フランスは全国的にマリファナの利用が多い国としてEUでも問題視されている。

かく言う筆者も1月にパリでデモに参加した際、近くでマリファナの煙がたかれているのを目撃した。また郊外の住宅地を歩いていた際、ガラの悪そうな若者から「クスリやる?」と声をかけられたこともある。今回の一件は単なる三面記事の面白ニュースであるのみならず、「マリファナ大国」フランス社会の一側面を端的に物語っていると言えるだろう。

photo: lavenircdn.net